長生きもなかなかに苦労が多いことです。
お若い方はおそらく考えもつかないでしょうが、長生きの何がつらいとお思いですか?
もちろん、延命医療のおかげで寿命だけは延びたとはいえ、あっちこっちが悪くて医者の世話になりっぱなしだったり、何といっても介護などで身内に迷惑が掛かる、などは避けたいと皆一様に思うところです。
そうではなくて、ここでは「健康で長生き」を問うています。
それの何が不服で、どこに問題があるというのでしょうか?
”罰当たり”とも言えそうな問題提起かもしれません。
長生きはメデタイことだ。
まして、健康でこれといった病もなく齢百歳を迎えた、などというと拍手喝采な、ハズなのだが・・。
短命よりも長寿に越したことはない。
しかし、自らが長生きする分、それだけ他人の死を見ることになる。
つまり、
(本人は)多くの(とりわけ近親者の)死を看取ることになること
ということです。
私事で恐縮ですが、3年前に94歳で亡くなった私の母などもそうです。
30年も前に急逝した夫は別として、その晩年は、弟、姉、妹と、毎年のようにたて続けに5人もの兄弟姉妹に先立たれ、本人は口には出さなかったけれども、相当に気落ちしていたことだろうと察するのです。
「最期になっちゃったあ」と泣くのを見ました。
私は、何も皮肉ってわざわざ嫌な面を探しているのではありません。
もちろん、人生には長生きしていてよかった、と思わしめる出来事もたくさんあります。
しかし、それと同じ分ほど、つらい出来事にも遭遇しなくてはなりません。
それが現実だということ。
そして、それが人生の味わい深さにもつながっているのかもしれませんね。


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