すべて無視してよい【無私】

2025年3月23日

クリシュナムルティ 真理

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すべて無視してよい
いや、無視しなくてはならない

あなたの視るものはすべて嘘だからだ
あなたは嘘を視ている

嘘とは実体のないものだ
昨日Aと言っていたものが今日はBであるものだ

だからすべて無視しなくてはならない
無視して視なくてはならない

どんなに心打つものであっても
どれほど理路整然と組み立てられた論理であっても

いかにあなたに知恵をもたらすものであっても
いかにあなたを啓発するものであっても

いかなる聖人の訓話であっても
いかなる優れた哲人のご高説であっても
いかなる先端科学者の解き明かした論理であっても

あなたが視ているものは嘘である

すべて嘘だから無視しなくてはならない

無視は視ないことではない
不遜な態度を言うのではない
無視は無私
あなたなく視ることだ

視ること
聞くこと
味わうこと
触れること
感じること
思うこと
考えること

すべて嘘である

なぜならあなたの外界(この世)は嘘であるから
あなたの外側はない

そのうえに、あなたは見聞きし、感じているからだ




無視はそこにあるものを視ないことではない
あなたが無い目線で視ることである

あなたは視る
しかし視るだけでは終わらない
それはすぐさまイメージを形成する
そのイメージで考える

そのようにあなたが視るものは
実体ではなくイメージである
あなたの都合で考えるための材料である

視るから考えるのではない
考えの延長、補足、補充として
あなたは視ている

世界はそうしたあなたの描く
プライベートな架空のストーリーに過ぎない

それは実はそのものを視ていない
あなたがいるからだ

そこにあるハサミはハサミだ
しかしあなたはハサミを視ていない
あなたは切るための道具
便宜上のものとしてそれを視ている

あなたが居ずに視る
役目や
価値や
能力や
愛情や
真偽や
比較や
一切のあなたの「ご都合」を捨て去って視る

無視する

そう書いているこの私の文章をも無視する

そうしてあらゆる物事を「無視」してゆくとき
あなたは最後に無視できないものにぶち当たる

それは、視ているにせよ、無視しているにせよ
あなたが視ているのではない
あなたは、あなたを通して視ているのだという事実に

これは、ロジックではない
事実だ



革命はあなたと私から始まる。

私たちの関係すべてにおいて ──人々との、自然との、観念のと、物事との、です ──私たちは、ますます多くの問題を、創り出すように思われます。一つの問題を ──経済的でも、政治的でも、社会的でも、集団的でも、個人的でも、です ── 解決しようとする中で、私たちは、他の多くの問題を、導入します。私たちはどうにか、ますます多くの葛藤、抗争を生み育てるし、ますます多くの改革が必要であるように、思われます。明白に、すべての改革は、さらなる改革が、必要です。ゆえにそれは、本当は後退です。左のでも右のでも、革命が単に、あるべきものということに立って、ありつづけたものの継続であるかぎり、それはまた後退です。私たちが個々人として、集団的なものに対する自らの関係を理解するときだけ、根源的な革命、常なる内的な変容が、ありえます。革命は、外面的な、環境的な影響力でもって、ではなく、私たちの一人一人でもって、始まらなければなりません。結局のところ、私たちは集団的なものです。私たちの中の意識的なものと無意識的なものはどちらも、人の政治的、社会的、文化的な影響力すべての残留物です。ゆえに、根源的な、外的な革命をもたらすには、私たちの一人一人の中に、根本的な変容が、なければなりません ── 環境的変化に依存しない変容が、です。それは、あなたと私でもって、始まらなければなりません。すべての大いなる物事は、小さな規模で始まります。すべての大いなる動きは、個人としてのあなたと私でもって、始まります。私たちが集団的な行為を待つなら、そういう集団的行為は、そもそも起きるとして、破壊的であり、さらなる悲惨に資するのです。

だから、革命は、あなたと私でもって、始まらなければなりません。その革命、その個人の変容は、私たちが関係を理解するときだけ、起こりえます──それは、自己認識の過程です。 (クリシュナムルティ 1950年、マドラス、講話3=クリシュナムルティからの引用より)

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